THE PROMISED FLAG

音楽・プロレス他、趣味について思うことあれこれ。Twitterに収まらなかったことを。

海外で新日本プロレスの女子部門設立を望む声が上がっている件について

 ※素人意見のため、記事内に誤りや良くない表現がありましたら申し訳ございません。
もしお気づきのことがあればご指摘頂ければ嬉しいです。

 

 

はじめに

私は元々WWEファンなのもあり、英語メディアやSNSに掲載されたプロレスファンの声に目を通すことがあります。

 

最近、その中で新日本プロレスに女子部門を作るべきかどうかという議論を多く見かけるようになりました。

 

ですが、日本語のメディアやSNSでこの問題について触れられているのを見かけることは殆どありません。

 

 

これから海外事業拡大を目指すことを明言している新日本プロレス

 

その為には海外のファンの声を無視することはできないはずですが、これからの日本のプロレス業界全体に関わる話が、このまま海外だけで議論を進められていいのだろうかと感じています。

 

日本の男女プロレスのあり方について今、海外で様々な意見が上がっていることを、日本のプロレスファンにも知って頂きたくて今回の記事を書きました。

 

ぜひ少しでも目を通して頂ければ嬉しいです。

 

 

 

NJPW should have a women's division」の声と議論

 

TwitterなどのSNSGoogle検索でnjpw(及びnew japan) women」等と検索して頂ければ、今現在英語でどのような意見が出されているかを見ることができます。

 

簡単にお伝えすれば、定期的に新日本プロレスは女子部門を作るべきだ」という意見を発信する人がいるということです。

 

それは単に新日本プロレスで女子の試合を見たい」という軽い意見から、中には新日本プロレスに女子の試合がないのは女性差別とはっきり言い切る人までも見かけます。

 

また、その意見を発する人は一般ファンから選手にインタビューをする立場にあるメディア関係者まで幅広く存在しています。

 

 

ですが、英語圏全体がそういった意見かといえば全くそうではなく、そのような発信には必ずと言っていいほど多くの反論コメントがついています。

 

参考のため、私がよく見かける内容のコメントを簡単にまとめてみました。

 

新日本プロレスの女子部門設立について

推奨派
  • 新日本で女子選手の試合も見たい
  • 男子選手しかいないのは差別的
  • 女子選手が東京ドームに出られないのは平等ではない
反対派
  • 日本には女子選手だけで独立して主役になれるプロレス文化がある
  • 女子選手の試合が見たいならスターダムや他の女子団体を見ればいい
  • 日本の文化の違いや伝統を尊重するべきだ

 

全てに目を通している訳ではありませんが、大体このような形で意見が割れているように感じます。

 

現在のアメリカでは男子のみの団体は差別的?

 

なぜ英語でこのような議論が盛んなのかというと、大きくはアメリカのプロレスの歴史と政治的事情の影響があると思います。

 

WWEをはじめとするアメリカの団体では、近年まで本格的なプロレスはほとんど男子選手だけのものでした。

 

ですが、近年の政治的事情やスポーツ・文化的コンテンツでの男女平等方針から、アメリカのプロレス団体も男子と同様の女子部門を育てることとなりました。

 

そのため現在のアメリカ視点で見た場合、男子選手の試合しか行われていない新日本プロレスは男女平等でない団体のように感じてしまうのだと思います。

 

また、WWEが昨年に男子選手のみでサウジアラビア公演を行ったことが大きな批判を集めました。

 

その中で「では、通常の興行すら男子しかいない新日本プロレスはどうなのか」という声が上がり、より注目を浴びてしまった印象があります。

 

 

世界で唯一、数十年の歴史を持つ日本の女子プロレス団体

 

ですが、アメリカと日本のプロレス界における女子選手の事情は大きく異なります。

 

それはアメリカが本格的な女子部門に力を入れるよりも遥か以前から、日本には独立した女子プロレス団体が存在しているという点です。

 

それも全日本女子プロレスの時代には試合が地上波で放送されたり、東京ドームで興行を行ったり、トップ女子レスラーは全国区の知名度を誇るなど、かなりの規模へと上り詰めていました。

 

アメリカでWomen's wrestlingといえば近年までセクシーファイト的な印象であった為、日本のように男子と同様に本格的な女子プロレスの試合は「Joshi wrestling」と呼ばれることがあります。

 

 

そのように、日本国内には女子だけで独立して本格的な興行ができる環境がすでにあるからこそ、新日本プロレスは男子だけの団体として存在しているのではないでしょうか。

 

ですが、最近新日本プロレスを知ったような多くの海外のファンは、そのような日本の女子プロレス団体の存在や歴史を知りません。

 

その為、以前の他の海外の団体と同じように、日本でも女子選手の存在が無視されていると思い込んでいるのだと思います。

 

 

さいごに

 

このような理由で、新日本プロレスがこれから海外展開を広げていく場合に「女子選手がいない」という壁には必ずぶつかるはずです。

 

更に、最近のWWEの女子部門の勢いは素晴らしく、女子部門を持つことは単純にビジネスとしてもメリットが大きいと感じます。

 

すでに日本には世界最高クラスに優れた女子プロレスの土壌があるため、最初からハイレベルなコンテンツを提供することができるでしょう。

 

 

ただ、そうなると既存の女子団体にはどのような影響があるのでしょうか。

 

例えばトップの女子選手を引き抜かれ、女子のハイレベルな試合は男子団体で見られるからと足を運ぶ客が減り、日本の女子団体が大きなダメージを受けるかもしれません。

 

実際、WWEが女子部門に力を入れてからトップ選手の海外移籍が相次いでいる女子団体もあります。

(ただ、その移籍の影響で海外からの知名度が上がっているという良い結果も生んでいます)

 

誰かにとって良いことが同時に他の誰かを苦しめるというのはよくあることで、この問題に絶対的な正解があるとは思えません。

 

 

ただ、個人的な意見では、色々なやり方や文化があることが様々な人の居場所や可能性を作ることになるのではと思います。

 

私は日本の女子プロレスのファンなので、女子選手が常に主役でいられる女子団体がこのまま大きく成長し、また多くの光を浴びられることを願って応援しています。

 

 

 

アメリカと日本のプロレスは違うからこそ、日本は日本独自の良さを大切にして新たな道を切り開いていけば、更に素敵な景色が広がるのではないかと思います。

 

ここまでお読み頂き本当にありがとうございました。